家の価格査定マニュアル

家の価格査定マニュアル：
原価法と事例比較法、詳細評価の重要性

家の価格を知りたいと思った時、どのような方法で査定が行われるのか気になるものです。公益法人不動産流通推進センターのサイトには、その査定方法に関する情報が掲載されています。

それによると、戸建住宅の価格査定は、主に原価法という手法に基づいて行われます。これは、その建物を今、同じように建て直すとしたらいくらかかるのか（再調達原価）を算出し、そこから築年数に応じた価値の減少分（減価償却額）を差し引いて価格を求める方法です。この際、建物の所在地や構造（木造軸組工法、ツーバイフォー、木質プレハブ工法、軽量鉄骨造など）といった基本的な情報から、建物のグレード（外部仕上げ、内部仕上げ）、そして部位別のリフォームや維持管理の状態（基礎・躯体、屋根、外装、建具、水回り、給湯設備など）まで、非常に細かく評価される仕組みになっています。

さらに、その他の付加価値項目として、新築時の設計図の有無、耐震適合証明書などの有無、ミストサウナや太陽光発電といった付加設備の設置状況なども考慮されます。そして、最終的には目視による物件の現況評価も加味され、リフォームや適切な維持管理によって、実際の経過年数よりも良い状態であれば、それが価格に反映される可能性もあります。また、その物件の市場における流通性も重要な要素として評価されるようです。

一方、マンションや住宅地の価格査定は、主に事例比較法という手法が用いられます。これは、対象となる物件と条件が類似した近隣の物件の過去の取引事例を複数集め、それらを比較検討することで価格を推定する方法です。

このように、家の価格査定は、物件の種類や特性に応じて異なる手法が用いられ、戸建住宅においては特に、建物の詳細な情報が多岐にわたって評価されることがわかります。そして、スムストック査定においては、これらの評価項目に加えて、長期優良住宅としての性能や維持管理状況などが、さらに詳細に評価されることで、その真の価値が明らかになるのです。